新しい父・辰雄が、今までこの家を男として支えてきた隆也の立場を、あっという間に奪ったのだ。 妹・木葉(このは)も、今までなら隆也に相談するようなことでも、辰雄に相談するようになってしまった。 辰雄の連れ子である姉・芹菜(せりな)も、それに追い打ちをかけるかのように目障りな存在だった。 これまで隆也、敦子、木葉の三人で築き上げてきたエデンが、二人のよそ者によって奪われたのだ。 そんな中、隆也は深夜、敦子と辰雄がセックスしている場面を目撃してしまう。
胸の内に渦巻いていた辰雄への憎しみは頂点に達した。 やがて辰雄が出張で十日間家を空けることになる。 隆也は決意した。